コラム96 スケッチで時の移りを楽しもう!

  2023年12月1日  五十嵐吉彦

12月(師走)に入り、早いもので本年もあと1ヶ月となった。光陰矢の如し”Time flies like an arrow”である。このことわざの如く放たれた矢は戻ってこない。即ち時間は戻ってこない。 その意味で本年に描いた皆様の原画は、貴重な時間を使っての作品であり、一枚一枚が大切な作品である。世界に一枚しかない原画作品なのだ。それだけに現場で、その場面で集中して描き完成させた原画は、心も込められており貴重な一枚である。 そんな時間の大切さと、そこで描いた作品の大切さを感じた今日この頃である。

先月中旬、横浜みなとみらいのギャラリーで「第23回JPEN・日本ペン彩画会展」が開催された。ペンの線と透明水彩を生かし、メリハリ感あり、爽やかで、臨場感のある作品揃いであった。この会場のすぐ近くに日本丸、赤レンガ、万国橋など横浜の歴史風景が多く、水彩&ペン彩スケッチで描く対象物が沢山あり、ARTの街でもあり、多くのペン彩画ファンが居り、会場も賑わった。

小生は長年横浜に住み、そのみなとみらい地区にある横浜の歴史風景を多く描いているが、 その内先月描いた1枚で汽車道から赤レンガ方向を描いたペン彩画を下に掲載した。 この作品を描いた時、赤レンガ倉庫の前に、コロナが発生した時、話題になった大型クルーズ船 が停泊していた。この為、敢えてこの作品に入れて描いた。あれから約4年経過した。時の経つのは早いものだ。

今、若者の間に「タイパ」がいいとか悪いとかの言葉があるらしい。これはTime performanceの略語だ。Web関連で「かかった時間に対する満足度を表す言葉」の略という。水彩&ペン彩スケッチ画はスピードも速く、満足いく作品を仕上げるので、さしずめアナログ絵画の世界の中では 「タイパがいい」と言えるであろうか。

本年も終わりだがスケッチで時の移りを感じながら描いてきた。そして現場で描いている時がやはり一番楽しいと思う。 この描いている時の幸せをお互いにかみしめよう。

水辺には魅力テーマが豊富4

左作品:・横浜赤レンガ倉庫。当日大型クルーズ船が停泊していた。

・汽車道から赤レンガを遠景で描いた作品はHPのトップページに掲載。


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