(コラム76)

さあ、春を描こう!    2022年4月1日 五十嵐吉彦

今日で4月に入った。本年1月〜3月までの五十嵐教室関連、また水陽会グループ展も無事に終了する事が出来た。このグループ展は水彩・ペン彩スケッチ画を描く皆様の発表の場であり、人生の1つの節目の貴重な記念イベントでもある。ご来場頂きました画友の皆様、ご家族の皆様、又諸準備をして頂いた幹事の皆様、そして出品された皆様に厚く御礼、感謝を申し上げたい。今回も小生は会場で皆様の展示作品をじっくり鑑賞したが、出品された皆様の作品が、ご本人はあまり感じていないと思われるが、年々着実に向上されているのが分かり、大変嬉しく思っている。

これらのグループ展が終わった3月末は、我家の小さな庭にモクレンが白い花を溢れんばかりに咲かせ、足元には水仙やクロッカスなど黄色の清楚な花が咲き、チューリップの葉が顔を覗かせ、近くの公園の桜も約50年見ているが大きく成長し、毎年見事な花を咲かせてくれる。この桜が咲く頃は、日本人にとって卒業や入学、また転勤や就職など別れと出逢いの時であり特別な想いがあるが、我々水彩スケッチを描く者にとっては、グループ展も終わり一区切りで、屋外で太陽を浴び、心も明るく、共にスケッチをするスタートの時期であり桜の開花と共に心が躍る。

屋外での風景スケッチで桜を描く場合、細かく見るよりも桜をかたまりで捉えた方がよい。そして桜の花びらをよく見ると白に近いごく淡い桜色であり。重なるとピンク系に見えてくるが、桜を描く彩色でピンクのオペラ色を多用すると彩度が高くなり落ち着かない。小生は紙の白地を生かし、アザリンクリムソン色を水多めで桜を表現する場合が多い。桜を描くのは満開の時は最高だが、桜の終わりごろ花びらが風で舞い散る中で描くときもまたよく、人生至福の時である。

さあ、春、桜を描こう!

洗足池の桜
左の作品は洗足池の桜。
この場所から四季折々描いているが、今回は少しコントラストを強め、ダイナミックな桜とした。
F4サイズ
(昨年のコラム64でも洗足池付近の桜の作品を掲載)

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