(コラム54)

スケッチは光、スケッチは力(チカラ)

(五十嵐吉彦 2020年7月15日)

コロナ禍はまだまだ終息しそうになく、小生関連の展示会は本年末迄の予定はすべて中止したが、通常講座は7月から順次再開をした事は前回コラム53で述べた。
先日スケッチ講座に行くため4ヶ月ぶりに電車に乗ったが、ほぼ全員マスクをしているので、よく守っているなと眺めながらも、黒色のマスクやグレイ色のマスクも増え、今までにない異様な光景となっている。

そして久しぶりに東京の等々力渓谷を、スケッチ講座の皆様と描いた。全員マスクをしての現地スケッチだ。皆様とはPC画面上のメールではなく、直接にお会い出来、一緒にスケッチ出来る事が楽しみだった。そして何よりも太陽光の下で光輝く風景を描けるのが嬉しい。もちろん曇りの日でも曇なりの光があり、空気感あり、風があり、緑も綺麗である。
やはり外でのスケッチはいいものだ。描いていると時々曇の間から太陽が顔を出し、樹の間から光が射す。その光で樹々の緑が輝いてとても美しい。その輝きをスケッチした。

「美術年鑑社」が2012年に『字チカラ』<魂のひと文字、心の眼を開かせる言葉>を出版した。美術界で活躍する日本画家、油絵画家、水彩画家、書道家、評論家等が寄せた好きな言葉一言集である。そこに水彩画家として小生の「ひと文字」が掲載されている。
そのひと文字は「輝」(かがやき)である。このことはコラム35で述べているが、光の「輝き」はすばらしい。その光の輝きを小生は描き続けている。光があるから感動が生まれる。また力(チカラ)が得られる。 「スケッチは光であり、スケッチは力(チカラ)である」。そして人生に希望と勇気を与えてくれる。


下記作品:輝きの等々力渓谷/F4

輝きの等々力渓谷/F4
     


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