( コ ラ ム 26 )

 「日に新たに、日々に新たに」 

五十嵐 吉彦 2012年元旦

 2012年の新年は太陽が格段に美しく感じられ、素晴らしく爽やかな朝であった。  2000年から始めた水彩スケッチの講師生活も満12年となり、干支でいうと1回りしたことになる。また、小生の水彩作品入り年賀状を出し始めたのが1988年であり、本年で24年となり、丁度干支を2回りしたことになる。

 このコラム4で「水彩作品入り年賀状20年」を書いたが、早いものでそれから既に4年が経過し24年となった。小生が講師を始めた時、水彩スケッチ画の上達には「継続は力」であると言ってきた。もちろん楽しみ乍ら水彩スケッチを描くのでよいが、継続して描いてゆく中に物が見え、スケッチの線や、透明水彩の絵具に慣れてきて上達してくる。上達し、成長すれば、また絵を描くのが楽しくなってくる。ただ、どの程度上達しているのか、自分ではその時、気がつかないが、3年後、5年後、10年後と節目の時に自分の作品を見ると、明らかに変わってきており成長の程度がわかる。 年賀状の作品を見てもそうである。

 小生が描く水彩スケッチ(含ペン彩スケッチ画)を平均すると、ほぼ毎日1枚は描いている事となるが、この水彩スケッチに集中して描く努力をしていると、新しいものが見えてくる。F4サイズ(23x33cm)のコンパクトなサイズの画面であるが、描けば描くほど、奥が深く感じられてくる。その経験から得た新しいものは、適時皆様にフィードバックして、より水彩スケッチ画を楽しんで頂く努力をしている。

昨年ワールドクルーズ船「飛鳥U」に乗船し、水彩スケッチの講演と講座を実施してきたが、同じ船上講師の中に遺伝子工学の権威で筑波大名誉教授の村上和男氏が居られ食事を共にしながら一緒に話をした。村上先生は「1個の細胞の中の遺伝子は、目覚めていて機能する部分と、眠っていて機能しない部分がある。これらの遺伝子はスイッチONとOFFをするので、生活習慣や考え方を意識的に変えて、よい遺伝子をスイッチONさせれば、人生はよい方向に変わり伸びる」と言う。それには水彩スケッチもよいと言う。更に、「伸びる人は眠れる遺伝子を呼び起こすのがうまい人で、@物事に熱中出来る人、A持続性のある人、B明るくプラス思考の人、そしてC感動できる人」とも言っている。 小生がいつも言っている水彩スケッチを通じて、心若く、健康で生きがいある人生を過ごすにも、上記@ABCと略同じであり、「集中」「継続」「プラス思考」、そして「感動」であると思う。

日に新たに、日々に新たに、また新たなり。 <中国古典「大学」より>

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